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2024年08月06日
「ともにつくるゆめ基金レポート2023年度」を追加いたしました。
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2024年08月06日
2024年8月の受付業務に関するご案内
2024年8月13日(火)~14日(水)は休業とさせていただきます。
※ その他平日は通常業務(10時00分~17時00分)となります。 -
2024年04月26日
「ともにつくるゆめ基金だより 第8号」を追加いたしました。
子どもが健やかに育っていくことは社会にとっての願いです。一人ひとりの子どもの幸せな育ちを見守るしくみを社会のインフラとして広げていく必要があります。このたび提案された「ともにつくるゆめ基金」は、子どもの育ちを応援する社会インフラとして、機知に富む注目すべき構想だと思います。子どもにとって親はなにものにも替えがたい大切な存在です。社会に巣立っていくまで親がしっかりと見守ってくれることは、子どもたちのかけがえのないものです。その親が時には不幸にして亡くなったり重度心身障害になってしまうことがあります。「ともにつくるゆめ基金」プロジェクトはそこに着目し、親に代わって子どもの成長を見守っていくしくみを設立しました。
「ともにつくるゆめ基金」は、たとえ親をなくしたとしても、ゆめを育み、チャレンジできるように子どもたちを応援する基金です。支援のプロセスを通じて子どもたちが、「自身の成長」「はたらくこと」「社会との関わり」の機会を持ち続けることができるよう支援することをめざしています。
基金の支援方法はユニークです。経済支援と非経済支援の3本柱で構成されています。0歳~24歳まで毎年誕生日(月)に1万円(ポイント)の支援をする「ゆめ育成支援金」、0歳~15歳までに1回、その後24歳までの間に1回各15万円の支援金を贈る「ゆめ応援支援金」、そして各種の「手続きサポート」やさまざまな相談対応等の「コミュニケーションサポート」です。
基金のユニークさは4つあると思います。
- 親を失った子どもへの経済支援の目的を、夢をみつけ、夢を育む活動を経済支援することに置いていて、子ども本人の希望を尊重する柔軟性に特徴があります。
- 経済支援だけでなく、各種サポートをすることで、組合員が亡くなった後も、その子が親の元の職場・労働組合による助け合いのあたたかさを感じ続けることができることです。ゆるやかな寄り添い型支援ということができるでしょう。
- 基金の対象者は組合員(子の親)または組合員の配偶者(子の親)で、どちらの親が亡くなるか重度障害になった場合でも子どもは支援を受けられるとしています。組合員だけでなく配偶者も対象とすることは、子どもの幸せを中心に考えられた制度設計だと思います。
- 慣習にとらわれない制度設計が各所に見られます。たとえば24歳までを支援することは、子どもの将来を十分に考えた現実性のある設計になっていると思います。また、片親の再婚や親の転職などで家庭環境が変わった場合であっても、子どもの「ゆめ」の応援のために支援は継続して行うという「子ども中心主義」に貫かれている点はこの基金のすぐれた点です。
親を失った子どもは親の職場・労働組合と縁遠くなりがちですが、この基金によって親の職場・労働組合が24歳までの成長を見守ってくれていることを感じ、親が働いていた職場・労働組合を誇りに感じ、りっぱな社会人・働く人に成長するのではないでしょうか。軌道にのることを大いに期待しています。
宮本 みち子(千葉大学/放送大学名誉教授)
日本の社会学者、博士(社会学)。千葉大学/放送大学名誉教授。
専攻は家族社会学、若者の社会学、生活保障論。
【来歴】
長野県松本市出身。東京教育大学文学部経済学・社会学専攻卒業。
お茶の水女子大学大学院家政学研究科修士課程修了。
淑徳大学で博士(社会学)の学位を取得。
1975年千葉大学教育学部助手、助教授、教授。
1997-1998年英国ケンブリッジ大学政治学部客員研究員。
2005年放送大学教養学部教授、
2014副学長。中央大学教育審議会員、社会保障審議委員会。
内閣府子どもの貧困対策に関する有識者会議座長。